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 本研究では、全ゲノム解析等実行計画(第1版)の着実な遂行に向け、難病ゲノム医療に関する各種研究班との連携の下、先行解析の円滑な実施及び本格解析ための体制整備を戦略的に進めることを目的とする。すなわち、同実行計画に基づき、新たに設置される先行解析実施研究班と連動することで、a) 体制が整備された医療機関により、b) 共通の同意書及び c) 品質の担保された検体及び臨床情報が、d) ゲノムデータ基盤に蓄積され、e) 大学等研究機関及び民間企業が利活用しやすい環境を整備すべく、その具体的方針を提示する。 これにより先行解析が着実に進み、本格解析に円滑に移行できることが期待される。また、対象となる個々の指定難病について国際連携の前提となる国際的な希少疾患データベースとの整合性が図られるとともに、必要な専門的な人材の効率的・効果的な人材育成が推進されることが期待される。

 さらに、幅広い関係者が利活用可能なゲノム情報基盤が構築され、新規原因遺伝子の発見及びそれに伴う遺伝子パネル検査の導入・改良等、難病患者を早期診断できる体制の構築や中長期的な視点に立った医薬品等の開発など、難病におけるより良い医療の提供がより一層推進されることが期待される。




 初年度は、2020年度後半から実施予定の先行解析に先立ち、①協力医療機関、②同意書・国民への普及啓発、③収集すべき臨床情報、④ゲノム基盤の運営・管理、⑤ 医薬品開発の促進に向けたゲノムデータ基盤のあり方、⑥ 国際連携や人材育成等についての体制整備、などに関する検討を行い、検討会へ報告すると共に、各種同意書・報告書等のひな形を作成し、円滑な先行解析につなげる。

 次年度は、先行解析の実施状況を確認しながら、ゲノム医療実現に向けた難病ゲノム医療の拠点となる病院・運営主体等の体制整備、人材育成等、本格解析に向けた提言を行う。本研究は、AMEDのオミックス研究班及びIRUDの他、「難病プラットフォーム」、また、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業において実施中の「難病ゲノム医療に対応した遺伝カウンセリングの実態調査と教育システムの構築に関する研究」及び「難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究」と充分な連携を図りつつ実施する。




< 図 2 >
現在の種々のゲノム研究組織と先行解析で確立を目指すゲノム基盤。【 1 】〜【 6 】は本研究班における検討課題の位置づけ。